↓ 前回までのあらすじ
「まだなのか・・・・」
「いったい、どのくらい走ったら着くんだ」
「だいぶ走ったぞ」
道の駅 ふじおやま からだいぶ走り
街から離れ、山へと入っていく
だいぶ民家もまばらになり
あたりはゴルフ場やキャンプ場ばかりが
目につくようになっていった・・・
「まだか・・・・」
「だいぶ山に入ってきた」
「道はクネクネしてるし、アップダウンもはげしい・・」
「ひとけもなくなってきた」
「あたりはキャンプ場ばかりだ」
「くそっ・・・・喉が・・・・渇いて・・」
その時、彼の視界に飛び込んできた
「白糸の滝・・・・?」
「たきだと!?」
「滝といえば水だ!」
「水があるっ!」
「このまま行けば白糸の滝に着く・・・」
彼にやっと希望がみえてきた
もうろうとした意識のなか水を求めて
どれほどの距離を走ってきたことだろう
いま、やっと水にありつける希望が
みえてきたのである・・・・
「着いた・・・」
彼はやっとのことでたどり着き、バイクを駐車場にとめた
「どこだ?」
「滝はどこにある?」
彼はあたりを見渡した
かすかだが、遠くの方から滝らしき音が聞こえてくる
「あっちだな」
彼は音の聞こえる方へと向かった
「おぉー あの大きな山が間近に見える」
彼は下をみた
「川が流れている❗」
彼は最後のちからを振り絞り階段をかけおりた❗
「やった・・・・・」
「やったぞ!やっとたどり着いた❗」
「奥には大きな滝がある❗」
彼は奥へと走った
「やった・・・やったぞ」
「これで水が飲める❗」
その時だった
彼の足になにかが当たった!
「いたっ・・痛い! なんだっ!?」
彼は足元をみた
「なっ・・・・なんなんだー❗」
なんと、立ち入り禁止の柵があったのだ
その柵に足をぶつけたのだった
彼はその柵を見つめながら茫然と立ち尽くしていた・・・・
「なぜだ・・・なぜなんだ・・・・」
「ここまで来て・・・なぜ水が飲めないんだー」
「ちくしょー・・・・」
「水が目の前に流れているというのにっ❗」
彼は絶望感で体が小刻みに震えていた・・・
涙さえも出ていた・・・
ここまで意識絶え絶え来たのに
彼にはもう、ちからなど残されていない・・・
ここが最後の希望のとりでだったのだ
彼は膝から崩れ落ちた
「ちきしょーーー❗なんでだーーー❗」
彼は絶望感と怒りで力一杯叫び声をあげた❗
その声は静寂を打ち破り、滝の音も打ち消し、空高く鳴り響いた❗
そして彼は力無くその場に倒れ込んだ